■ウェルビな酒場について
ウェルビな酒場とは、友達の家のリビングのようなリラックスできる空間で、お酒などを飲みながら、様々な立場、職業の人間が集まり、ウェルビーイング(Well-being)健康や幸福の総合的な概念について、互いに情報を提供し、交流と理解を深める場として開催しています。
※詳細については、ページ最後をご覧ください。
■実施日時:2024/12/26(木) 19:00~21:00
■今月のテーマは 『今年の振り返り』
■話題提供
清中先生:クリニックで診察をしていると、「寂しい」「つまらない」「意欲が出ない」といった感情は、医療だけでは解決できないことがあると感じます。人々は単に長生きすることだけではなく、「どう生きたいか」「どうありたいか」が重要なのではないでしょうか。
ここでは、「つながり」や「わくわくするもの」を見つけてもらい、人々が「いいもの」を持ち寄ることや、他の参加者と共有し、つながりを深めることで心の健康が支えられるという環境があれば、社会にどんな変化が起こるのか?健康そのものより、より良いライフスタイルを模索する場として4月からウェルビな酒場を始めました。直近3か月は、教育、経済、心身の健康などなど様々なウェルビーイングについて話し合ってきました。しかし、ウェルビーイングが「単なる病気ではない状態」という広い概念で自由なテーマにした方が、いろんな面白い人が集まり、会話も弾むかもしれないという意見もあり、10月からは、参加者のみなさんの暮らしにおいて、どんな出来事があり、どんな時に幸せを感じたのかなども共有するテーマで開催しています。
今日は、1年の締めくくりとして、みなさんの「今年の振り返り」についても聞かせてください。

Well(=健康である)⇔ill(=不健康な)
参加者のお一人から、「今年は学びの年だったようで、よくないことも起こった。Well-beingの反対語ってなんていうのかな?Wellの反対語は?」という、これまでとはまったく違う角度から新しいウェルビーイングに関する質問があり、これまでは「Well=健康である」「Being=状態」という前向きな側面が強調されてきましたが、今回はその反対語の「ill=不健康な」にも触れ、より広い視野でウェルビーイングを考える機会となりました。
例えば、心身の不調や孤立感、社会的なつながりの欠如、精神的な疲労などが「反対語」でに当たる部分として挙げられ、これらを意識することで、ウェルビーイングが何であるかがより明確に理解できるのではないかという議論になりました。
ネガティブな要素に触れることが、実際には自分の状態に対してより現実的な理解を深め、ポジティブへ改善していくための第一歩となることも指摘されました。
ワクワクするためには、しなやかな心で柔軟に生きる回復力も重要ですが、同時に人生における注意点や気を付けるべき点があることも忘れてはならないことで、自分だけではどうしようもできないこともあるということも知ることも大切です。例えば、悪意を持って近づいてくる人が世の中にはいることや、事件やマインドコントロールされて抜け出せない状態になることもある。具体的には、男性の寂しさに付け込む後妻業や投資の話、女性に多い結婚詐欺、売春など、参加者の方々の身近に起こった事件も踏まえ、未然に防ぐためにはまずは“心の隙間に付け込まれないような注意”が必要だという意見もでました。
たしかに、人は生きる上で、いいことだけでなく、多かれ少なかれ悪いことも経験しますが、大切なことは、その経験の後にどのような価値観を持てるかが重要で、嫌なことや後悔を感じても、それを自分の成長や学びとして受け入れ、前向きなエネルギーに変換することが、幸せやウェルビーイングに繋がるのではないかという意見が多くでました。

仕事を通じた成長とつながり
個人の変化と社会とのつながり
次に、去年転職をして、、仕事を通じて自己成長を遂げる人の「今年の振り返り」のお話がありました。
「新しい仕事を通じて人との接し方が変わり、他者とのつながりがより深まるという経験をしました。自分にとっては、様々な人と出会うことが幸せを感じるきっかけとなり、もっとたくさんの人を幸せにしたいと思って取得した免許のおかげで新しい挑戦している自分の成長を感じています。来年は、お客様とそのご家族にも幸せを届けられるようにしていきたい。」と、来年への意気込みも語ってくださいました。
まとめ
その他、参加者の皆様の今年の振り返りも共有いただき、人生それぞれの生き方があり、幸せの感じ方もそれぞれあるなと改めて感じました。しかし、共通して言えるのは、最終は、「納得感が得られるかどうか」。自分が納得したなら、それが自分にとっての幸せであり、他人にどう思われるということは問題ではない。例え、人生において何か失敗することがあったとしても、『反省はあっても後悔はしない』という前向きな考え方を持つことも、頑張っている人を見て、自分は焦らず、また無理に頑張ろうとせず、『巻き込まれる幸せもある』という考えもあり、自己納得が自分自身のウェルビーイングへと導いてくれるのかもしれません。
最後に、唐突ですが(笑)
「今年の振り返り」が今回のテーマでしたので、年末らしいことを一つお話したいと思います。
今年の漢字は、「金」でした。オリンピックの年は、「金」になることが多いと言われてますが、選ばれた理由は、光をあらわす「金(キン)」と、政治の裏金問題「金(カネ)」などの影をあらわす社会での出来事からだったそうです。
今年振り返って、表の光部分だけでなく、裏の影部分も想像しながら、皆様にとっての漢字一文字を想像してみてください。光と影、成功と失敗、喜びと苦しみ、全ての側面が私たちの成長を形作ります。もしかしたらそこから、ウェルビーイングな生き方のヒントが見えてくるかもしれません。
ウェルビーイングは個人の健康や心の状態だけでなく、人生全般に関わるものだということがわかってきました。自分自身が納得した生き方や、思い通りにできる部分が増えることで、より幸せを感じることができ、そして、他人とのつながりの中で、喜びや楽しさを見つけながら、慎重さを持って行動することが大切だということに気付いた一年の締めくくりにふさわしい会でした。
また来年もよろしくお願いします。
文:山田摩利子

写真:もちより品でつくったおでん鍋は、バラエティー豊富な食材が揃いました。
【話題提供】
清中崇司(医師)
循環器内科から精神科、救急外来から往診看取りまで、広範な臨床経験を持ち、医療の質向上に精進すると共に、診察室から飛び出し、地域のウェルビーイングの発展を目指す。教育や実践のための場創りも重視し、新しい医療と古き良き医療・生活文化から垣間見える価値観の中から、各々が大切にしているものを、確認する「場」を増やすために活動している。
=経歴=
■2016年8月~現在 ひゃくぶん会クリニック 内科・循環器内 科・心療内科 院長
■2013年4月~現在 東加古川病院(精神科単科病院) 内科非 常勤
■2013年5月~2017年5月 京都大学大学院医学研究科 脳機能総 合研究センター 研究生・医学専攻(博士課程)
■2007年4月~2013年3月 兵庫県立尼崎病院 研修・循環器内科 専攻医
■2007年3月 神戸大学医学部医学科卒業
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