― 奄美の文化にふれ、都市から地域へ“関わり”を広げる ―

うめらくでは、地域資源や人の想いをつなぎながら、都市部での活動をする地域コミュニティで、新しい価値の循環を生み出す活動を行っています。その一環として、大阪・中津にある「関係案内所なかつもり」を会場に、都市と地方をつなぐ『旅する関係案内所』イベントを企画しました。

奄美大島の地域ナビゲーターは、清水早苗さんも、うめらくの活動を通して知り合いました。

嘉徳浜(かとくはま)の魅力と課題

第1部は、清水早苗さんが主宰する“私たちの海を守る会“トークイベントとのコラボで開催しました。
私たちの海を守る会では、環境への意識を自分ごと化して私たちの地球を守ることを目的にオンライントークイベントを1ヶ月に1回開催されています。

今回は、奄美大島・瀬戸内町にある自然が手つかずで残る「嘉徳浜」を舞台に、この浜で活動する、山ちゃんこと、アフリカンパーカッショニストの山北紀彦さんがゲストスピーカーとなり、美しい海岸の魅力と可能性についてお話しいただきました。

奄美・嘉徳浜の海の写真(私たちの海を守る会のスライドより引用)

別名“ジュラシックビーチ”と呼ばれる地層や浜辺は、地元の人々の暮らしや自然と深く結びついていることも写真を用いて紹介いただきました。

こんな大きな海ガメも遊びに来る名所となっている

トークの中では、豊かな自然と、今、嘉徳浜で起こっている課題の両面を知ることを通して、自然と人間の暮らしの共存共栄について考えるきっかけとなりました。

私たちの海を守る会のスライドより引用 2014年に大きな台風があり、砂が攫われたけれど、3年後には自然に浜は戻っている
私たちの海を守る会のスライドより引用 コンクリートで護岸を作ることで砂浜は自然に戻る力を失うと紹介されています

ちなみに、嘉徳浜(嘉徳海岸)で自然保護・保全活動をしている/関与していると確認できる団体・組織を、公開情報をもとに調べました。以下の通りご紹介します。

団体名詳細リンク先(活動・紹介ページ)
奄美の森と川と海岸を守る会嘉徳浜・嘉徳川の自然保全・護岸反対運動を現地で主導Amami World Heritage Watch 
公益財団法人 日本自然保護協会 (NACS-J)嘉徳浜の砂浜保全、保全要望書提出、調査活動「一度は訪れてほしい砂浜!奄美大島・嘉徳」  
Save The Waves Coalition国際保全キャンペーン “Save Katoku” を実施・支援Save The Waves「Save Katoku」 
Surfrider Foundation Japan (SFJ)Save Katoku キャンペーン賛同・声明提出など支援SFJ「SAVE KATOKU」情報ページ  
たくさんの団体が、この浜の魅力を感じ、保全活動をされていることがわかります

自然保護活動などを企業でされていて、私たちの街でもよく見かけるアウトドアメーカーパタゴニア(Patagonia)も関わっていました

活動内容詳細リンク先
嘉徳浜の護岸工事中止要望への賛同パタゴニア日本支社が、NACS-J 等が提出した「嘉徳海岸侵食対策事業の一時中止と管理体制の再構築」要望を支持する声明を出している。 (2021年)PR TIMES「パタゴニア日本支社…支持します」  

1部を振り返って

  • 自然を守りたい声と、防災や住環境のための整備の必要性のどちらの視点も存在することを知りました。
  • 嘉徳浜は私たちに自然の大切さと地域の課題を教えてくれました。
  • 「都会に住む私たちに何ができるのか?」という問いを立てるきっかけとなりました。

「奄美を食べる会」

2部は、「奄美を食べる会」と題して、ゲストである清水早苗さんが奄美大島から12kgの荷物を担いで持ってきてくれた食材を使って、食文化に触れながら奄美の魅力をお聞きしました。

写真奥から、刺身の2種盛り、青パパイヤのサラダ、鯛の香草焼き、真菰竹のソテー、真菰竹のきんぴら
真菰竹の天ぷら、島らっきょの天ぷら

写真奥から、生もずく天ぷら、長命草の天ぷら

ドラゴンフルーツ
当日のメニューはこちら

2部は、食事を通して、みなさん自然と会話が生まれ、交流が進みました。

イベント全体を通しての振り返り

 魅力と課題は、背中合わせ。

美しい海や浜の自然をそのまま残したいと思う一方で、安全や経済性をめぐって護岸工事が議論されるなど、課題も存在しているお話しを聞いて、魅力と課題はいつも背中合わせだと感じました。

人生と同じように、良いこともあれば悩みもある。

しかし、その解決の道は、決してひとつではないはず。

ちょっと遠くから離れた視点からみて、何が本当に大切にしないといけないのか、誰のために、何の目的で、そしてそれをすることで、どんな価値が生まれるのかを考えながら、解決の糸口を見つけていくことが大切だと感じました。



文:山田摩利子

 


旅する関係案内所とは?

地域のコーディネーターが案内役となり、現地の文化・自然・暮らしに触れる体験型イベントです。

参加者は、現地のことを学び、体験し、得た知識や気づきから、身近な暮らしや地域や自然とのつながり、他者への理解、新しい価値観へと深めていくことができます。

今回のイベントでは、現地の方とのオンライン交流や、地域ナビゲーターによる島や海の魅力紹介、奄美の食材を使った料理体験を通じて、島の文化・自然・暮らしにふれる時間を共有しました。

イベントの特徴

  • 開催場所は、固定拠点に縛られず、大阪・中津(都市)にある「関係案内所なかつもり」での開催を中心に、時には地方での現地取材など柔軟に展開していきます。
  • 地域のコーディネーターがナビゲーターとして案内するため、観光ブックに載らないリアルな暮らしや文化に触れられます。
  • 体験・学び・共感を通して、自己成長や価値観の豊かさを育む時間を提供しています。

イベントの目的

  • 移住する前からの関係づくり・交流人口の拡大
  • 二拠点生活や移住促進のサポート
  • 地域資源の利活用や共感消費につなげる循環型コミュニティ形成

 関係案内所 なかつもりが目指すこと

関係案内所なかつもりは、単なる関係人口づくりや観光誘致を目的とする場所ではありません。

  • 上辺だけでなく、地域を深く理解すること
  • 興味・関心を広げ、共感から行動へとつなげること

観光ブックには載らないリアルな暮らしや文化に触れ、

「もっと知りたい」「もっと関わりたい」「できれば暮らしてみたい」

という気持ちを育む“関係の入り口”をつくっています。

まずは、イベント参加や相談からはじめてみませんか?


📍 関係案内所 なかつもり

大阪市北区中津3−17−5 UPCYCLE中津荘103号室

🪴 サービス内容

  • 地域交流・体験イベント
  • 二拠点生活・移住相談
  • リトリート・チームビルディング企画