2026年6月7日(日)大阪市北区中津地域の総合防災訓練
梅田のすぐ隣に位置する中津地域には、中津小学校(中津1〜4丁目の住民が対象)と、大阪YMCAインターナショナルスクール(以下、OYIS/中津4〜7丁目の住民が対象)の2か所の指定避難所があります。

当日、私たちが参加したのはOYIS側の訓練でした。OYISには、普段、幼稚園から中学生までの外国籍の子どもたちを中心に300名を超える児童・生徒が通っています。

当日は日曜日のため学校は休校日でしたが、地域の方々が学校の門を開放し、避難所開設訓練を実施しました。訓練では、実際の避難所運営を想定した取り組みとあわせて、地域住民への防災啓発も行われました。

私たちの担当は、講堂内での防災講座と、備蓄倉庫に保管されている備蓄品の展示コーナー。

(防災講座内容)

・避難所に来る時に持ってくるものの紹介
・学校の備蓄倉庫にあるものの紹介
・在宅避難の心得
・家庭備蓄

についてお話をさせていただきました。


「えっ、避難所は開かないの?」

今回、いつもの防災訓練ではなく、もっと自分ごとにしてもらおうと思い、中津南地域特有の防災情報をお伝えすシナリオを準備しました。

「中津地域は水害時に浸水する可能性があるため、その危険性が高い場合は、この避難所は開設されません」

こんな話をすると、

「えっ、じゃあどうしたらいいの?」
「避難所に行けばいいと思っていた」という声。

そして、第2候補、第3候補の避難先について説明すると、

「え〜、遠いやん」という反応も。

実際の災害時には、災害の種類によって開設される避難所は異なることなんて想像していなかった、という参加者の方の声。

だからこそ、

・自宅での在宅避難
・第2候補、第3候補の避難先
・日頃からの備蓄

を考えておくことが大切で、「避難所に行けば何とかなる」ではなく、「自分や家族はどう行動するのか」を平時から考えておく必要があると理解してもらえたのではないかと思います。

今回の訓練では、グリコさんにもご協力いただき、備蓄食について学ぶ機会をつくりました。

災害時の食事というと、「とりあえず食べられればいい」と考えがちですが、実際には数日から数週間にわたって食べ続ける可能性があります。

そのため、

・温めなくても食べられるか

・普段から食べ慣れている味か

・家族みんなが食べられるか

・原材料や栄養バランスはどうか

といった視点で選ぶことも大切だということも、参加者の方から気づきもあったのではないでしょうか。

災害が起きてから慌てて備えるのではなく、普段から食べているものを少し多めに買い、食べながら備える「ローリングストック」の考え方も紹介しました。案外、まだまだローリングストックという言葉を初めて聞くよ!という方も多かったので、今後も根拠よく続けていきたいと思います。

そして、防災は非常時だけの話ではなく、日々の買い物や暮らし方の延長線上あると言うことも頭の中に入れておきたいことです。

知っていると、できるは違う

今回の訓練で特に印象に残ったのは、防災倉庫の備蓄品を実際に開封し、みんなで組み立てを行ったことです。テントや簡易ベッド、投光器などを説明書を見ながら組み立てました。

実際にやってみると、

「これどうやって広げるの?」
「この部品はどこにつけるの?」
「固すぎる!完成させられない!」
と試行錯誤の連続。

すると、他の作業が終わった方が、
「手伝おうか?」
「あれ、ほんと!固いね!力づくでいってもいいのかな?」
(実際は、力づくでいけるものでしたが、訓練で壊してはいけないので、ヒヤヒヤ💦)

でも、その時間がとても大切でした。

今回の訓練を通じて、「知っている」と「できる」は違うということを、私たちも改めて実感しました。

災害時、本当に役立つのは知識だけではなく、実際に触った経験であることは言うまでもないですね。

災害用トイレは「どれでも同じ」ではなかった

今回、地元企業で梱包専門会社である山崎梱包様にもご協力いただきました。
さきちゃんトイレなど災害用トイレも作っておられ、10種類以上の災害用トイレを持参してくださいました。「おしりで体験!」このフレーズが、特に気に入っております🤭

実際に座り比べをしてみると、その違いに驚きました。
災害時だから何でもいいのではなく、

・座りやすいか
・高齢者や介添が必要な人でも使いやすいか
・安心して利用できるか

など、実際に体験してみないと分からないことがたくさんあります。

普段のトイレと違う環境になるからこそ、平時からどのような備えを選ぶのかを考えておく必要があります。

目指したいのは「誰でも動ける地域」

訓練後の振り返り会では、

「リーダーが必要」
「指示命令系統を明確にした方がいい」

という意見もありました。もちろん役割分担は必要です。しかし、災害時は必ずしもリーダーがその場にいるとは限りません。だからこそ、

「誰かの指示を待つ」

のではなく、

「自分で考えて動ける人を増やす」

ことが大切だと思っています。

実際に昨日も、参加者として来られていた方が、「できることやります!何をやればいいですか!」と声をかけてくださいました。その言葉が本当に嬉しかったです。

これからの中津南自主防災会

中津南自主防災会はこれまでも、

・学校との連携
・マンション住民への参加啓発
・避難所運営マニュアルづくり

など、町会の防災活動を支える役割として活動してきました。

これからはさらに、

・マンション防災
・要援護者支援体制の構築
・在宅避難時の対応
・体験型防災講座の実施

などを進めていきたいと思っています。

災害時に本当に必要なのは、特別な資格を持った人だけではありません。

「自分にできることをやろう」

と思ってくれる人です。

そんな人が一人でも増える地域は、きっと強い。

今回の訓練を通じて、改めてそう感じた一日でした。

文:山田摩利子